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2021年2月22日  |  Column

元PIXARアートディレクターのことば

こんにちは。Setのデザイナー、池田百々子です。

ここ数日はとても暖かくて、春がきたかのような気候でしたね。

 

春といえば5年前の春、私は当時開催されていたPIXAR展のスペシャルイベントで、元PIXARのArt Directorだった日本人、堤大介さんの講演会に行ったことを思い出します。

 

その時の講演でメモをしていたノートを見返したら良い言葉があったので、それを今回はお話したいと思います。

 

物事をみて、どう感じるか

世界的なアニメーションスタジオ、PIXARで働いていた堤さんが何かを生み出すときの発想源は、観察することだと言います。

これはなんだろうと観察して、ひたすら「なぜ?」を考える。

そして見たあとに、どう感じるか。

 

私が大学時代に受けていた授業で、広告発想論という授業がありました。

電通のクリエイティブディレクターとして働く先生の授業でしたが、先生が持ってくるいくつかのコマーシャルを90分間ひたすら見て、私達はこれがなぜ良いのかを考える。考えてLINE@で生徒が先生に送り、良い意見を送るとそれが皆んなの前で読まれるという面白い授業でした。なんとなく良いで終わりにしないで、それはなぜ良いのかを考え、言語化することは結構難しいけれど、それを繰り返していくとだんだん慣れてきて、自分が良いと感じるポイントなんかも見えてきます。

 

何かを生み出していくクリエイターという職業は、見て、考えて、どう感じるのかを自分の頭の中で繰り返していくことが大切ということをこれらを通して私は学びました。

 

Whyを繰り返す

堤さんは、高校卒業後、特にやりたいことがなくアメリカ留学をすることを決意し、現地で授業料が安かったカレッジに通います。

そこで楽に単位が取れると有名だった授業が美術でした。そのクラスには60代くらいのおばあちゃんやおじいちゃんもいたらしく、授業内で描いた絵を特に上手でもないのにすごく褒められた、それが嬉しかった。

このことが堤さんが絵を描くことを好きになったきっかけでした。

 

その後、堤さんが本格的にアニメーションをやりたい!と思うきっかけとなったのが、ビジュアルアーティスト、ジェームズ・ジーンさんの、

“才能というものは、世の中に光を照らすためにある”

ということばでした。

 

この言葉を受け、自分がアニメーションをやる理由、Whyが自分の才能で世の中に光を照らしたいということになり、PIXARで働くことに繋がったと言います。

 

堤さんは、「絵を描く(what)」ということが自分の中にあり、じゃあ「自分はなぜ絵を描くんだろう?(why)」とその時々で自分に問いかける。そのなぜがわからない時には悩みをスキップしないで悩みに悩む。

このように意識していたら、自分が何をしたいのかをいつも見失わずにいることができる。

それが大切だと堤さんは言っていて、今も私の心に残っています。

 

私は、足を運んで尊敬する人のお話を直接聞くことが好きなので、今はコロナでそのようなイベントは中々オフラインでは行われず残念ですが、また落ち着いた時に行けることを楽しみに待ちたいです。今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。